※第5回新卒内定者の皆さんによるサンフランシスコ海外研修レポートです。

<研修期間>   2008/9/30(火)〜2008/10/6(木)
<参加学生>   福永浩介(早稲田大学大学院) 秋吉翔平(日本体育大学)       大瀧菜織(実践女子大学) 
            高山理紗(日本大学)        中江和徳(西南学院大学)       久持篤(和歌山大学) 
            増田亮(北星学園大学)      安田祐子(明治学院大学)
<引率社員>   石黒潤(日本大学卒)       黒田英里(大阪市立大学大学院卒) 安保達朗(東京大学大学院博士課程中退)
            狩野友里(九州大学大学院卒)                                           計12名

はじめに
 私達は「世界の医療を通じて学ぶ」を目的としてサンフランシスコへ研修に参りました。
現地の病院や大学などの訪問を通してアメリカの医療について学び、日本の医療についても新しい視点を持って捉えることができました。
 また、現地で活躍していらっしゃる喜吉紘子さんとお会いしました。病院の案内をしていただき、日米の医療についての貴重なご意見をうかがいました。
研修日程
  本研修は5泊7日の日程で行われました。

   9月30日 メディカルコンシェルジュのアドバイザリーナースである喜吉紘子さんとの合流を経て
         University of California San Francisco(UCSF)を訪問しました。
  10月1日 前日に引続き、喜吉さんとUCSFの視察を行いました。
  10月2日 午前にUCバークレー校を見学し、午後には喜吉さんら医療関係者の方々との懇親会を行いました。
  10月3日 午前にUniversity of California General Hospitalを視察しました。午後は、Veterans Affairs病院
        (退役軍人の病院)を視察し、その後、喜吉さんへのインタビューを行いました。
目次

1.) UCSF(University of California San Francisco)

◆UCSFとは

 カリフォルニア州サンフランシスコ市にある州立大学のサンフランシスコ校。UCは他にもバークレーやLAなど世界的に有名な大学が多いことでも知られている。中でもUCSFは1873年にできた医学分野を専門とする大学院大学である。全米トップ10に入る、優れた医療機関であり、臨床、研究共に高い評価を得ている。
 癌や心臓病、臓器移植、整形外科、脳神経外科、小児科などを含む医学のほぼ全ての分野をカバーしている。研究分野では基礎研究も盛んであり、過去ノーベル賞受賞者も複数輩出している。

◆構内見学

 最初に喜吉紘子さんにお会いし簡単な説明を受けた後、図書館や講義室を案内していただいた。図書館は誰でも入れるようになっており、広々とした空間に開放的な雰囲気があった。蔵書は医療系の文献が中心で普段私達があまり目にしない学術雑誌が多くならんでいた。上階のThe Phleger Rare Book Suiteには医療系の専門書が集められており、中には日本語の文献も見られた。

(上の写真は訪問したUCSFのキャンパスの全体図。他にもいくつかのキャンパスがある。下の2枚の写真は講義室内にあった医療の歴史を表している絵画の一部とその説明。)

◆喜吉さんの講義内容

喜吉さんが始めてUCSFで授業を受けたとき、教授から決してアメリカの医療は世界一ではないと言われたそうである。その理由についてや、その他下記の内容について解説していただいた。

▼ アメリカと日本の医療について

▼ 経営について

▼ 保険制度について

▼ アメリカ型の医療保険構造について

◆まとめ



◆病棟見学




※一部内部関係者のみの閲覧となります。

2.) University of California Berkeley

多くあるカリフォルニア州立大学の1つで、特に理系の学部が集まっている。生徒数は約3万5千人。
大学のシンボルカラーはブルーとゴールドでこの2色は構内で多く見られた。また、ゴールデンベアがシンボルであり、強豪として知られるアメリカンフットボールチームのチーム名にもなっている。私たちは大学生のケビンさんに案内していただいた。

◆施設紹介

▼The Life Science

 恐竜の化石が展示されていたり、その他博物館があったりした。この建物内には心理学、生理学など多くの学科の図書館が入っており、それぞれの入口があった。

▼Clock Tower

 1階は図書館、上階にグランドピアノがあり様々な音楽を楽しむことができるようになっている。最上部に大きな鐘があり、講義の時間を知らせている。

▼ アメリカと日本の医療

 喜吉さんが始めてUCSFで授業を受けたとき、教授から決してアメリカの医療は世界一ではないと言われたそうである。その理由について解説していただいた。

▼The University Library

ギリシャ神話の知の神「アテナ」が入口上部にあり、その目を見ると知の神が舞い降りるといわれている。
そのため、建物に入るときはその目を見て入る。しかし、中で居眠りするだけの人は、知の神に見られると気まずいので違う
出口から出るそうだ。

▼New Library

アジア系(中国、韓国、日本など)の文献が全米で1番多く所蔵されており、重要な書庫になっている。

▼Science Hall

屋上では天体観測をすることができる。ケビンさんも授業ではいろんな天体を観測した様子。


その他大学情報
・図書館は全部で25個あり、年間100万人以上が利用している。
・年齢層は幅広く、案内をしてくれたケビンの知っている人では74歳の学生もいる。
 平均は21歳くらい。
・約35000人の学生の中でアジア人は留学生を含めて40%以上いる。


(写真は案内していただいたケビンさんと有名なアメリカンフットボールのコーチ“PAPPY”)

3.) San Francisco General Hospital(SFGH)

 サンフランシスコ州が運営する7階建ての病院で無保険者も利用できる。年間で約38万人の外来患者が利用している。全米でも数少ない、看護師CEO(最高経営責任者)の病院でもある。入院病棟には639床あり常時多くの入院患者がいる。施設はその他外来、救急、ナーシングホーム(長期ケアが必要な高齢者の医療介護施設)リハビリテーション施設などがある。
家族や自分の時間を拘束されずに治療が行えることから、外来で化学療法を行う人もおり、入院をせず通院で治療を行う人が多い。
また、この病院では囚人やホームレスも来院するため、防犯や警備は非常に強固にされている。ロビーでは私達が訪問したときも警官が待機しており、院内を見回っている様子だった。
数多くあるUCSFの提携機関の一つであり、研修医が働く場になっている。看護師は約半分がフィリピン人で日本人も多く働いている。これは、アメリカ人が麻薬患者や精神疾患、ホームレスの相手をすることを嫌がるためということも理由の一つに挙げられる。同じく患者も多様で、言語はスペイン語が1番多く使われ、次に中国語、ロシア語も多く使われている。そのため40〜50もの言語に対応できるように通訳者がいる。
 人種やゲイ、トランスジェンダーなどの区分で病棟が分かれており、理解のあるドクター、ナースを配置していることも我々には驚きの一つであった。

◆施設紹介

メインの建物を7階から順に喜吉さんに案内をしていただいた。以下説明の階ごとにまとめた。

7階 精神科
閉鎖病棟では2重のロックがある。これは他害のある患者がいるためであるが、患者に囚人やギャング等が含まれていることもその一因である。囚人は刑務所からの警備員が付いており、移動の際には手錠や足かせがはめられている。偶然、私達は囚人の患者を廊下で見ることができた。オレンジの囚人服を着たままで、前後に警備員がおり、手錠足かせをされたままで私達とすれ違っていった。他のギャング等から狙われることがあるので、そのような人の中には偽名を使う場合もある。

5階
専門別のICU(神経内科、心臓循環器、内科、外科、小児など)、女性健康センター、HIV専門、癌専門のセクションがある。特にサンフランシスコは1980年代に初めてエイズが発見された場所で、世界でも有数の研究が行われている。

4階 トラウマ病棟
サンフランシスコで唯一の急性外傷専門のICUがあり、24時間専門の医者がいるため交通事故などの救急患者が多く運ばれてくる。また、銃での外傷を負った患者も多くPTSD等のケアも必要になっている。さらに、特徴的なICUとして熱傷者のICUがある。
他に注射専門のクリニックやスキンクリニックがあり、ここでは麻薬常習者のために針を与えることで感染症などを防ぐことも行っている。このような取り組みで入院患者が30%少なくなっているというデータがあり、病院にとっても患者にとっても利益がある。

3階 手術室
2階 カフェテリア
1階 ロビー

4.) Department of Veterans Affairs Medical Center(VA病院)



VA病院は全米にたくさんあり、カリフォルニア州内にも幾つかある。この病院は陸海空軍の退役軍人のための病院であり、様々なレベルでのサービスが行われている。近年は高齢の患者数が増えているが、アフガニスタンやイラクでの戦争の影響で若年者も増えており、財源の圧迫につながっている。研修医や研究者の部屋も相部屋にして患者のための部屋を何とか確保している状態だった。
HOPTEL(ホスピタルホテル)があり、遠方からの患者も利用しやすくなっている。託児所等の施設も充実していた。
情報セキュリティーが厳重であったが、それは以前に約2600万人分の退役軍人の個人情報がハッカーの進入によって流出する事件があったためであった。

◆精神科病棟見学

私達はアランさんに精神科病棟を案内していただいた。

平均的に午前中の外来診断では1対1で約30分〜1時間かけて行われている。また、グループセラピーが多く行われており、医師1、2人に対して患者10人程度で行われることが多い。グループセラピーでは症状への対処法を教えあうなど、それぞれの経験を共有しあうことがよく行われている。
精神科では研究者も心理学と神経科学を合わせて40人以上いて、医師よりも多い。そのため院内の廊下にある掲示板には学会発表用の研究ポスターがいくつも貼ってあった。日本にはないナースプラクティショナーの資格を持つ人は精神科には少ないようではあったが数人いた。その他10名前後のソーシャルワーカーが働いていた。
患者の年齢層はさまざまで、イラク戦争に行った人は23,4歳、ベトナム戦争経験者で58〜64歳くらい、朝鮮戦争は70〜80歳で中には第2次世界大戦の経験者もいた。若年者から高齢者までの患者層を紹介していただくと、常に戦争をしている国の負の部分が見えたように思えて胸が痛んだ。


◆その他病棟見学

どの科でも完全電子カルテ化が終了しており、PCネットワークを利用した効率化が目立った。UCSFと同じように廊下に移動式のPCがあり、処方や診断記録をいつでも書き込めるようになっていた。また、医学生も患者に接し、自分で処方を考えて担当医のサインをもらうことで処方が可能であり、よく行われているということには驚いた。処方箋が院内で受け取れて便利であるとの説明があった。アメリカでは珍しいことだそうで、その都度遠くの薬局に行かなくてもその病院内で全ての作業を終えられることは、患者にとっては非常に便利だということだった。他には歯科があることも稀だそうで、ほとんどの場合歯科医は開業してしまうので大きな病院の中に歯科があることは珍しいということだった。
このように他の総合病院と比べても特殊な面が多く、全て同じ敷地内で宿泊しながら検査や治療ができる。それが退役軍人への配慮の表れなのかもしれないと感じた。

5.) 喜吉さんへインタビュー

▼ 文化の違いについて

▼ 保険制度について

▼ 介護について

▼ 人員配置について


6.) ま と め

 今回の研修ではアメリカの医療現場を見ることで、多くの貴重な体験をすることができました。UCSFでは、喜吉さんの説明のもとで医療の理想と現実のギャップを痛感しました。まだまだ無保険者の国民が多く存在している現状があることは衝撃でした。UCバークレー校では、多くの図書館があることに驚きました。世界でも屈指の優秀な大学の雰囲気を味わえたことは・・・
※一部内部関係者のみの閲覧となります。

7.) 終わりに

 海外経験が乏しい参加内定者が多い中で、共に助け合いながら生活しました。
成田に集合したときと成田で解散したときでは、私たちの心持はまったく違ったものになっていました。互いの絆が深まり、尊敬し、連帯感も生まれました。同時に医療業界にこれから携わっていく人間としての責任感と誇りを強く持つようになったと感じています。
 最後に、私たちの引率をしてくださった先輩社員の皆様には本当にお世話になりました。磯野社長、吉村相談役をはじめメディカルコンシェルジュのすべての皆様に深謝いたします。
 
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