![]() 福永:どなたか他に聞きたいことがあればお願いします。
大瀧:素朴に思ったことなのですが、さっきお手洗いに行って気付いたのですけど、昔は人種差別があったときに、黒人と白人はお手洗いが別だったという話を以前聞いた事があって、病院も別だったのかなと。 福永:今でも病棟が別な場合があるようですが。
喜吉:病棟が別というのは人種差別ではなくて、人種をより配慮できるケアを、ということなのですが、そういう見方をする人もいるかもしれませんね。昔はどうだったでしょうか。。。病院は同じでも入り口や診察は別だったかもしれませんね。黒人は、病院に行くこともなかったかも。日本みたいにアメリカでも昔は自宅への往診がメインだったので、入院というのは最近のことですから。
高山:UCSFに入ったときに、小児リハビリテーションのスペースがありましたが、そこは子供たちがリハビリに来るのだと思いますが、やはりお金を払うのですか?
喜吉:もちろん、何でもお金がかかりますね。お金がかかるけど患者さんの加入している保険の種類によって、負担金額が変わります。例えば、週1回のリハビリが保険でカバーされている保険プランに加入している場合、週2回行く必要があれば、もう1日分は自分で負担しなくちゃいけない、ということもあります。
高山:海外ドラマのERを見ていると、シカゴのERはすごくガヤガヤしています。私の中でもそういうイメージですけど、サンフランシスコの救急救命室はどんな雰囲気ですか?
喜吉:多分同じように平均2時間待ちとかですよ。たまにERから入院してくる患者さんがいますけど、朝一番にERに来て病棟に来たのが午後の3時とか。それはすごく多いですね。やっぱりERが無保険者の一番の窓口になっているので、ただの風邪でもそこしかいくところがないですよね。だからERに来る人の重傷度の差がすごく大きくて、本当に致命的な状況で来る人や、早期に治療しなければいけない脳出血や心筋梗塞の人もいれば、何かおなかが痛い、ただの食あたりかもしれないけどやっぱり検査してみようという人もいる。このような中、阪神大震災のとき話題になりましたけど、トリアージの必要性が出てきますね。つまり、この人は今すぐ治療しなくちゃいけないとか、そういう優先順位をつけていく作業がすごく重要になってきますね。
高山:アメリカの医療では障害を持った方の雇用状況はどうですか?
喜吉:たぶんそれはアメリカが誇りにしているところだと思います。障害の程度によって雇用差別してはいけないという法律があって、例えば面接で、何か障害ありますかということを聞いてはいけません。日本もそうなのかもしれないですけど、会社によっては、障害者の雇用が義務付けられているみたいで、それか税金の控除があるとか詳しくは忘れてしまいましたけど、そういった意味でなるべく障害者も雇用するように企業を応援する制度が整っています。だから働いている姿は日本よりよく見るかもしれないですね。障害者自体をよく見ると思います。町を歩いていても電動車椅子なんかで外に出ている姿をよく見かけます。あと必ず学校などでも公共の場は車椅子で行き来できるようになっていなくちゃいけないので、必ずスロープはあるし、教室にも車椅子用のスペースがあります。
福永:最後になりますが、これから日米の医療はどういうふうになっていったらいい、とお考えでしょうか?
喜吉:はい、すごい大きな質問ですね(笑) まずアメリカは無保険者が減ってくれたらいいなと思います。駆け込み式のERに頼るのだけではなく、全ての人に予防医療とか十分に受けられる環境が整ってくれたらいいなと。日本においては、私は労働環境に興味があるので、病院で働く人の環境がもっとよくなったらなと思います。
例えば、ナースの三交代制度を減らしていくとか。どうにか工夫して、日勤をやりたい人は日勤、夜勤をやりたい人は夜勤、そんな風に柔軟な勤務体制ができたらいいなと思っています。
![]() 福永:本日は本当にありがとうございました。 |