![]() 福永:今、人員の話題が出ましたが、色々な特殊な人達が働いているみたいですね。アメリカならではのユニークな資格を持った人であるとか、資格じゃなくても何かの仕事を特別専門的に行っている人はいるのですか?
喜吉:認定看護師、専門看護師と言っていますが、ナース・プラクティショナーやクリニカル・ナース・スペシャリスト(CNS)がいます。日本でも大分増えてきて、認定看護師は100名ぐらい、専門看護師は30名ぐらいだったかな。 福永:すみません、勉強不足なのですが、認定看護師と専門看護師はどう違いますか?
喜吉:認定と専門は、教育もトレーニングも違います。日米でちょっと違いますけど、認定の方が臨床よりで、アメリカだと特に処方や診断ができます。彼女達は自分でクリニックを開いたりすることができて、院内でも全くドクターのように活躍されています。特に外科のチームで活躍することが多いようです。外科医は主に手術に興味があるので、手術後の経過というのはあまり注目されない傾向があって、そういった中でナース・プラクティショナーが、もし糖尿病のある患者さんであれば、インスリンの管理などもっと内科的なことや痛みのことなどを担当する場合が多いですね。あとは病院内だけじゃなくて外来のクリニックやかかりつけ医的な存在として活躍しています。ナース・プラクティショナーが相談窓口にいて、まず相談に乗ることも多いようです。
他方CNS、日本で言う専門看護師っていうのは、もう少し研究よりの人たちですね。
福永:昨日お会いした治験看護師もそのグループに入るのですか?
喜吉:それはまた別の部類に入ります。CNSは、基本的にはスタッフの教育を担当します。医療・看護の知識は常に進化し、 複雑になっているので、CNS達が最新の研究をまとめたりして、今のベストプラクティスは何かを明らかにします。そして、その知識を自分の病棟で活用するためにはどうしたらいいだろう、どうやってリソースを揃えたらいいだろう、誰の協力が必要だろうということを考えて、ベストプラクティスのためのリーダーシップを発揮します。この前、はじめて集中治療室のCNSの人と一時間ぐらい話す機会がありましたけど、本当に彼女達の活躍はめざましいものです。
私が今興味をもっている「人工呼吸器使用による肺炎(Ventilator-associated Pneumonia −VAP)」の予防のために彼女が実施したことは、物品を揃えたり、教育をしたり、ニュースレターを発行したりすることでした。そして、VAPがなぜ問題なのか、予防のためにはどうしたらよいのか、スタッフの疑問に答える存在になっていました。
日本だと結局そういうことをやるのは看護師長ですよね。他のスタッフは患者のケアで忙しくてできない。でも看護師長は実はとても忙しくて、勤務の管理や人事管理などで忙殺されてます。だから専門的なところまでなかなか追いつかないので、片手間でこれをしてしまう。
そうすると実践のための知識体系が広く浅くになってしまう傾向があります。アメリカのCNSみたいに臨床実践を向上するための職種があって、スタッフが働きやすいように、必要な知識を手渡してくれる人がいるのは、質の高い医療のためにはすごく重要なことだと思いますね。
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